2008年7月17日(木)

トピック55 ターゲット読者を想定する

 当サイトは、文章技術を上達させたい人をターゲットにしています。きっと皆さんも、うまく文章を書きたいと思って、または文章を書いているときにわからないことがあって、当サイトを訪れてくれたのでしょう。訪問してくださって、ありがとうございます。
 どのような文章にも、かならず読者がいます。自分しか読まない日記でさえ、自分という読者に向けて書かれています。文章を書くとき、誰が読んでくれるのかを意識することはたいへん重要です。それによって、文体や漢字の使い方、表現方法も変えていく必要があります。
 子供のころに教わった、「お友達の立場になって考えてみましょうね」という教訓は、文章を書くときにも役立ちます。ターゲット読者の立場だったら、何に興味があり、何を知りたいのだろうかと考えて書くと、独り善がりの文章にならずに済み、楽しく読んでもらえます。相手を思いやる気持ちから、わかりやすい文章が生まれるのです。

2008年7月11日(金)

トピック54 憧れの作家になりきって書く

 「学ぶ」は「まねぶ(学ぶ)」が語源といわれています。いきなり独創性のある文章を書こうとしても、そう簡単にできるものではありません。
 文章技術を上達させるために、まずは憧れている作家の作品や新聞のコラムなど、お手本とする文章を真似ることがたいへん効果的です。
 しかし、あまりに文体にクセのある作家の文章を真似ると、あとでクセを直すのに苦労するので、お勧めできません。個人的には、谷崎潤一郎、夏目漱石、志賀直哉、井上靖などがお勧めです。
 なんとしても文章力をアップさせるのだと気合いの入っている方は、お手本となる作品を書き写して練習してみてはいかがでしょうか。
 同じ作家の作品をたくさん読んでいると、いつの間にか、その作家の文体やリズム、使われている語彙などが身について、自分の書く文章に反映されるようになります。憧れの作家になったつもりで、少し気取って書くと、うまい文章になるでしょう。その上で、独創性を出せるようにがんばってください。

2008年7月7日(月)

トピック53 会話文の書き方

 読者を引きつけるエッセイには、会話文がうまく使われています。
 会話文を書く際のポイントは、文章の中での会話文と、実際の会話とを分けて考えることです。実際の会話をそのまま活字にしてしまうと、読者には意味が伝わらないことがよくあります。あまりに解説的な会話文は不自然ですが、読者にも会話の意味が伝わるように、実際の会話を補いながら書いてみましょう。
 会話文は行を変えて書きだし、「」で括ります。「」のあとに句点(。)や、「と言った」は不要です。会話文で誰がしゃべっているのかわかるように工夫しましょう。

(例文)
 私が家の外からドアを数回叩くと、中から弟の用心深そうな声が聞こえた。
「誰だ?」
「あんちゃんだよ。お前のあんちゃんだよ」
「ほんとに俺のあんちゃんか?」
「ほんとにあんちゃんだよ」
「それじゃあ、俺の質問に答えてみろ。結婚して25年目は銀婚式、50年目は金婚式、それじゃあ、80年目は?」
「お葬式」
「やっぱり、あんちゃんだ!」

2008年6月30日(月)

トピック52 ユーモア文章術(10) 上品に下品

 基本的な文章技術については、正直なところ、私自身、書いていてあまりおもしろくありません。人を笑わせる文章術については、いつも楽しんで書いています。
 さて、今回のテーマは「上品に下品」です。タイトルが奇妙ですが、伝えたいニュアンスは感じとっていただけますか?
 人間、誰しも多かれ少なかれスケベです。それゆえに、下ネタは人を笑わせる目的の文章によく使われます。
 しかし、下ネタばかりの文章は、読者を笑わせられるどころか、逆に引かれる結果になるので注意が必要です。
 大学時代、七三分けの髪型をして銀縁の眼鏡をかけた、見たところたいへん真面目そうな中年の教授がいました。この教授は授業中、低い声でボソボソとしゃべるのですが、いつも何の前振りもなく、ポロリと下ネタのジョークを言うのです。学生は一瞬静まり、その後、大爆笑です。
 文章の品格を保ちつつ、さりげなく下品を織り交ぜられるか。なかなか難易度の高いテーマですね。

2008年6月26日(木)

トピック51 季節感を入れて文章に奥行きを

 日本には四季があります。私たち日本人は、もともと農耕民族だったためなのか、季節の変化にたいへん敏感です。あまり親しくない人同士の会話のほとんどは、「暑くなりましたねえ」「今年の梅雨は、あまり雨が降りませんね」などと、季節の話題で始まるものです。
 読者に共感してもらえる文章を書く際に、日本人であれば誰でも持っている季節感を使うことが役に立ちます。
 たとえば、「花火大会」という言葉を見れば、誰でも、夜空に打ちあがる大輪の花火や、浴衣姿の人たち、混雑した会場の熱気、焼きそばやかき氷を売る露店をすぐに思い浮かべられます。
 エッセイに季節感を盛り込むとき、俳句の季語を参考にするとよいでしょう。『今はじめる人のための俳句歳時記(角川文庫)』あたりを手にとってみてはいかがでしょう。日本には、季節ごとの美しい言葉が数え切れないほどあることに、きっと新鮮な驚きを覚えると思います。

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