2008年6月26日(木)

トピック50 対象物を徹底的に観察する

 一般的に、文系の人は理系の人に比べて文章を書くことには慣れています。出版されているエッセイ本のほとんどが文系の人によって書かれていますが、エッセイの傑作と呼ばれるもののなかには、理系の人によって書かれた作品が多いという事実があります。
 理系の人が書く文章には、以下のような特徴があります。

1.理路整然としている
2.対象物をよく観察している
3.曖昧さがほとんどない

 エッセイは徒然なるままに書けばいいのだという考えもあります。しかし、以上に挙げた特徴はどれも、おもしろいエッセイを書くために大切な要素です。
 とくに、書く対象物を徹底的に観察することは、文章に説得力をもたせ、読者を引きつけることにつながります。
 文系の人でも、観察眼は鍛えようと思えば鍛えられます。観察といっても、見るばかりではなく、匂いを嗅ぐ、触る、聴く、味わうなど、五感をフルに使って、対象物を立体的に描写できるようにしてみましょう。

2008年6月23日(月)

トピック49 素直な心と天邪鬼な心

 どのように格好をつけて書こうとも、「文は人なり」とよくいわれるように、文章からは筆者の人柄がにじみ出てしまうものです。文章を上手に書くテクニックはたくさんありますが、基本的には、ありのままの自分を大切にして、気取らずに書いていけばいいのだと思います。
 素直な心で書かれた文章は、必ず読者の心に響くものです。技術的には優れているけれど、読者の心にまったく響かない文章よりも、技術的には稚拙でも、読者の心に響く文章のほうが価値は上です。
 素直な心は文章を書く際に不可欠なものですが、それだけでは文章に面白みが欠けることがよくあります。
 そこで必要なのは、天邪鬼な心。世間の人々はある事柄に対して○○○という見方をしているけれど、私はこのように考えるという視点の新鮮さがあると、文章に面白みが生まれます。
 素直な心と天邪鬼な心をうまくバランスさせて文章を書いていくと、読者におもしろいと思ってもらえます。

トピック48 制限を設けて書く

 当サイトでは、各トピックの記事を約400字で書いています。パソコンの画面上でも、疲れることなくさっと読める文字数に設定しました。また、文字数に制限を設けておくことで、サイト全体の統一感を生みだす効果があります。
 エッセイの公募などでも、文字数の制限があるものがほとんどなので、日頃から特定の文字数で伝えたいことを文章にまとめる練習をしておくことをお勧めします。
 文字数の制限のほかに、時間を制限して書くのも、文章力を上達させる秘訣です。たっぷりと時間をかければ、すばらしい文章が書けるというわけではありません。緊張感なく書くよりも、時間的な制限を設けて集中的に書いたほうが、良質の文章に仕上がることがよくあります。
 たとえば、30分で800字を書くと制限を設けたら、とにかく時間内に書き終えるように練習してみましょう。そのあとで、ていねいに推敲していけばいいのです。
 ブログで文章の練習をしてみてはいかがですか?

トピック47 ダーシと3点リーダの使い方

 今回は、ダーシ(ダッシュ)と3点リーダ(三点リーダー)の使い方について簡単に解説しましょう。
 ダーシ「―」は通常、2字分の長さで使用され、二倍ダーシとも呼ばれます。つまり、「――」となります。3点リーダ「…」も同じく2字分の長さで使用するので、「……」となります。
 パソコンで文章を書く際、これらの記号をどのように出せばいいのかわからなくて困っている方のために、裏技を紹介しましょう。
 ほとんどの方は、日本語入力システムにMS-IMEやATOKを使用しているかと思います。これらの単語登録機能を利用するのです。「――」「……」をそれぞれコピーして、読みがな「だーし」「さんてん」など適当につけて登録すれば、その後は「だーし」と入力して変換すると「――」が出力されます。

(例文)
 唇も人情も厚いコメディアン――いかりや長介さんのファンになって二十年余り。今後、長さんを超えるお笑い芸人が出てくるのだろうか……。

2008年6月22日(日)

トピック46 ユーモア文章術(9) 自分のエゴを笑う

 人の心には、さまざまなエゴがあります。誰でも、虚栄心、欲、打算など、できれば他人から見抜かれたくないようなものを心の中に持って生きているものです。
 ユーモアのある文章を書く際には、このような自分のエゴを客観的に観察し、それらを隠そうとするのではなく、むしろ茶化して笑い飛ばすような心の余裕を持つことが大切です。
 昭和48年から50年にかけて朝日新聞の「天声人語」を執筆していた深代惇郎さんを、私は個人的に文章の師と尊敬しています。氏の『深代惇郎の青春日記』には、学生時代の日記が載っています。

<友人と泊まりがけのスキーに行って>
友人は便所より女湯が見えたと大騒ぎする。怪しからん男なり。しかし我輩も明日より、その便所を使う事を心中固く決意せり。

 この短文の中にも、深代さんの持つ心の余裕が垣間見られるのではないでしょうか。
 読者も同じ人間です。「人間っぽさ」の匂いたつ文章に心を引かれ、癒されるものです。

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