2007年5月18日(金)

トピック35 好きな物や事について書く

 誰しも、多かれ少なかれ、好き嫌いを持っています。エッセイなど不特定多数の読者に向けて文章を書く際には、読者の好き嫌いを尊重する姿勢が大切だと考えています。
 たとえば、「私は○○○が嫌いだ!」と書けば、○○○のことが好きな読者は気分を害し、反論したくなるものです。
 一方で、「私は○○○が大好きだ!」ということを書いた文章には、作者の愛情が込められており、「私も○○○が大好きだ!」という人が寄ってくるように思います。人は自分の趣味や意見と合う人を味方と判断し、親近感を持つものです。
 また、作者にとって、書いていて楽しくなるのは、自分の大好きな物や事についてです。

(例文)
 私は、ザ・ドリフターズが大好きである。
 
 この一文をこの場に堂々と書けただけで、私は幸せです。
 ラーメンへの偏愛、耳掻きについてのこだわり、応援しているアーティストなど、自分なりの趣味嗜好を、ぜひ大切にしてください。対象物に対する愛情から、名文が生まれます。

トピック34 書くための情報収集

 エッセイ(随筆)には、作者の視点や独自の切り口が必要です。その意味で、エッセイは基本的に主観的な文章であるといえます。
 しかし、文章に説得力を持たせるためには、ある程度の客観性が必要です。客観性があってこそ、作者の主観が生かされます。
 文章に客観性を持たせるためには、いくつかの方法があります。

1.数字データを入れる
2.文献を引用する
3.第三者の意見を入れる
4.歴史的事実を入れる
5.世間の常識を大切にする

 情報源には、新聞、雑誌、書籍、辞書、百科事典、統計データなどがあります。引用の仕方については、あらためて書くことにします。
 書くテーマについて熱い思いを抱いているのであれば、なおさら、少し冷静になって、客観的に書くことをお勧めします。
 しかし、あまりに客観的になってしまっては、文章に面白味がなくなるので、そのへんのバランスをいかに取るかが大切なポイントです。

各種統計データ
統計データ・ポータルサイト

トピック33 語彙力を鍛える方法

 文章を書いていて、適切な表現が見つからなくて困ったことはありませんか? 日常的に日本語を使っていると、自分は日本語を知っていると錯覚してしまいますが、どれほど知っているかは、自分でさえ把握するのが難しいものです。
 英語を勉強するとき、使える語彙(ボキャブラリー)を増やすことは必須です。日本語も、自在に使いこなせるようになるためには、語彙力の強化が欠かせません。
 そのひとつの方法として、多読があります。とにかく本をたくさん読む。そうすると、文章力はもちろん、自然と語彙力も鍛えられます。
 また、国語辞典を読むのもたいへん有効です。根性のある人は、分厚い国語辞典を隅から隅まで読んでみてはいかがでしょうか。でも、これは相当に時間がかかります。
 お勧めなのは、100円ショップで売られているポケット版の国語辞典を暗記することです。これなら、1週間もあればひと通り読めますし、何度か読めば、抜群に語彙力が強化されます。

2007年5月13日(日)

トピック32 ユーモア文章術(6) キャラ強調

 だんだんと正統的な文章講座から離れてきたような気がしますが、まあ気楽に、この調子で行こうと思います。
 さて、今回のテーマは「キャラ強調」です。以前、学校に通って映画やドラマのシナリオ(脚本)を学んだことがあります。そこではシナリオの書き方のほか、企画の立て方、キャラクターの描写法など、さまざまなことを教わりました。
 エッセイでも、登場人物をどのように書くかによって、作品のおもしろさが違ってきます。とくに読者を笑わせる文章を書くためには、登場人物の個性を際立たせなければなりません。言い換えれば、キャラクターをデフォルメ化するのです。登場人物の持っている癖、外見の特徴、変わった趣味、妙なこだわりなど、それらを強調することで、人物像を際立たせることができます。
 また、作者自身のキャラを誇張して表現することでも、おもしろい文章が書けます。コントの登場人物になったような気分で、自分を滑稽に演じてみるのも楽しいですよ。

2007年5月9日(水)

トピック31 ユーモア文章術(5) 淡々とボケる

 医学漫談でよく知られるケーシー高峰さんは、舞台に登場すると、まず、無言かつ無表情に会場の観客を見渡します。漫談が始まっていないのに、会場からはクスクスと笑い声が漏れてきます。漫談中も、ケーシー高峰さんは淡々と語り、自ら笑うことはほとんどありません。
 以前、日本でも人気だったMr.ビーンも、コントの中で淡々とボケていました。
 経験の浅いコメディアンは、必死になって観客を笑わそうとしますが、観客は逆に引いてしまうものです。コメディアンの余裕のなさが観客に伝わってしまうのでしょう。
 文章で読者を笑わせる場合も、書き手は心に余裕を持って、淡々としていたほうがいいようです。書き手が一人で盛り上がることなく、読者にわかりやすいように淡々と事実を描写し、すました表情でボケることが大切なのだと思います。
 作家・椎名誠さんの趣味はiPodで落語を聴くことだそうです。読者を笑わせるエッセイは、こうして書けるようになるんですね。

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