2007年5月9日(水)

トピック31 ユーモア文章術(5) 淡々とボケる

 医学漫談でよく知られるケーシー高峰さんは、舞台に登場すると、まず、無言かつ無表情に会場の観客を見渡します。漫談が始まっていないのに、会場からはクスクスと笑い声が漏れてきます。漫談中も、ケーシー高峰さんは淡々と語り、自ら笑うことはほとんどありません。
 以前、日本でも人気だったMr.ビーンも、コントの中で淡々とボケていました。
 経験の浅いコメディアンは、必死になって観客を笑わそうとしますが、観客は逆に引いてしまうものです。コメディアンの余裕のなさが観客に伝わってしまうのでしょう。
 文章で読者を笑わせる場合も、書き手は心に余裕を持って、淡々としていたほうがいいようです。書き手が一人で盛り上がることなく、読者にわかりやすいように淡々と事実を描写し、すました表情でボケることが大切なのだと思います。
 作家・椎名誠さんの趣味はiPodで落語を聴くことだそうです。読者を笑わせるエッセイは、こうして書けるようになるんですね。

2007年5月6日(日)

トピック25 ユーモア文章術(4) 暴走

 これまでわりと正統的な作文技術やエッセイの書き方について解説してきました。しかし、そればかりではおもしろくありません。今回のテーマは「暴走」です。
 書き始める前には、エッセイや作文のテーマがしっかりと決まっていたのに、いざ書き始めると、次々と書きたいことが思い浮かんで、当初の予定とはまったく違った作品に仕上がることがよくあります。エッセイの公募などに応募する際には、このような文章は修正し、まとまりのある作品に仕上げなければなりません。しかし、ブログなどで気楽に文章を公開する場合、たまには遊びとして「暴走」を楽しんでみてもいいのではないかと思います。書き手の遊び心は、読者にもきちんと伝わり、喜んでもらえるものです。
 大学時代に人気があった教授は、講義の途中で話がいつも脱線し、講義内容に戻れないまま授業が終わるような人でした。
 「正しく書く」ことも大切ですが、「楽しく書く」ことも同じくらい大切なことではないでしょうか。

2007年5月3日(木)

トピック24 ユーモア文章術(3) 自己ツッコミ

 ひと頃のお笑いブームは沈静化したようですが、依然として、漫才やコントは人気があるようです。
 漫才の基本的な型として、ボケとツッコミがあります。二人で漫才をするのであれば、ボケ役とツッコミ役を役割分担できますが、文章では、そうはいきません。一人でボケて、それに対して、一人でツッコミを入れなければなりません。
 ブログで文章を公開するのであれば、コメント欄で読者のツッコミを待つこともできます。しかし、文章中のボケがあまりにシュールだったり、わかりにくいものであると、誰からもツッコミが入りません。これは作者にとって、精神的にかなりショックです(経験あります)。
 「文章はわかりやすく書く」という基本は、ボケもわかりやすく書く、ということです。独り善がりのボケはやめましょう、と言いたいところですが、個人的にやめられそうもないので、言いません。
 ボケとツッコミの例文を書こうとしましたが、思い浮かばなかったので、今回は例文なしです。

トピック23 ユーモア文章術(2) 誇張

 正統的な文章作法では、大袈裟な表現は文章の品位を下げるので慎むべきとされています。しかし、誇張された表現は、うまく使えば、ときに読者の笑いを誘うものとなります。
 笑わせる際のポイントは、中途半端に誇張しないで、思いっきり、現実としてありえないくらいに誇張することです。

(例文)
 私と同じ部署で働くブー子さんは、いつも食欲が旺盛である。お腹が空くと、パソコンでも食べてしまいそうだ。

(例文)
 今年九十歳になる志村バアさんは、曾孫の長介くんが誕生したとき、あまりに嬉しくて、入れ歯を百メートルほど飛ばしたそうだ。

(例文)
 仲本社長は、黒縁の、たいへん大きなメガネをかけている。たまに、社長をトンボと見間違えてしまうほどだ。

 嘘を書くことは決して勧められませんが、例文のように、あきらかに比喩や誇張であるとわかる嘘であれば、書いてもまったく問題ないでしょう。
 当サイトのユーモア文章術は、かなりふざけているので、すべてを鵜呑みにすることなく、有効にご活用していただければ幸いです。

2007年5月2日(水)

トピック22 ユーモア文章術(1) 意表を突く

 人は言葉によって傷つくこともあれば、癒されたり、勇気づけられたりします。言葉はときに武器ともなれば、薬にもなります。書き手は常に「言葉の力」を頭に入れて文章を書いていく必要があると考えています。
 さて、今回から何度かに分けて、ユーモア文章術について解説していきます。文章によって人を笑わせるには、いくつかのコツがあるようです。
 その一つが「意表を突く」こと。人の脳は、いつも何かを予測していますが、それが外れると、一瞬、脳に空白の時間が生まれ、そこに笑いが起こるのです。

(例文)
 仲本はエリートビジネスマンである。今朝も通勤電車の中で吊革につかまり、日経新聞を真剣に読んでいた。スーツの前のチャックが全開なのに気づかないまま。

 まずは読者に特定のイメージを与えて、何かを予測させつつ、それをあえて外すところにユーモアが生まれます。
 日常生活の中でも、あちこちにユーモアの種が見つかります。笑いを見つけるアンテナを常に張り巡らせておきましょう。

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