2007年5月7日(月)

トピック26 「体言止め」の使い方

 名詞や代名詞など活用しない品詞を「体言」といいます。情報誌を読むと、次のような文章がよく目につきます。

(例文)
 六本木にできた新ランドマークといえば、東京ミッドタウン。働く、住む、遊ぶ、憩う、そのすべてが融合した複合都市を取材した。

 このように、体言止めは情報誌などでよく使われます。しかし、エッセイなどの文章でこれを多用すると、読者に冷たい印象を与える文章になってしまうので注意が必要です。体言止めは、ここぞというときに効果的に使うことによって、文章にメリハリを出すことができます。

(例文)
 キャンプの醍醐味は早朝にある。朝日が昇る前、川辺で野鳥のさえずりを聴きながら飲む、淹れたてのコーヒー。本物の贅沢とは案外シンプルなものなのかもしれない。

 体言止めを使う際に最も気をつけなければならないポイントは、「多用しないこと」に尽きます。この基本をしっかりと覚えておけば、体言止めは文章を洗練させる便利な道具となるでしょう。

2007年5月2日(水)

トピック21 切り捨ての美学

 日記であれば、その日にあったことなどを羅列していけばよいのですが、エッセイでそれをやってしまうと、まとまりのない文章になってしまいます。
 文章を書いていると、あれもこれも書いておきたいという衝動に駆られることがあるでしょう。しかし、それはほんとうに伝えたいことなのか、よく考えてみる必要があります。余計なことを書いたばかりに、エッセイで伝えようとしたテーマがぼやけてしまうこともよくありますから。
 推敲する際には、「どこを削るか」「どこをもっと膨らませるか」を考えてみることをお勧めします。「せっかく書いたんだし、削るのはもったいないなあ」という思いも湧いてくることでしょう。そこをいかに潔く切り捨てるか。
 文章を削る練習として、まずは1000字でエッセイを書いて完成させ、このエッセイを400字にしてみましょう。文章のエッセンスをギュッと凝縮させるのです。引き締まった筋肉質の文章は、こうしてできあがります。

2007年4月16日(月)

トピック11 伝えたいテーマを決める

 徒然なるままに、思ったことを書いていけば一応の文章はできあがります。しかし、それでは読者に楽しんで読んでもらえるエッセイにはなりません。
 エッセイには一応のテーマが必要です。何をもっとも伝えたいのかを考え、その軸を初めに決めてしまうのです。それが決まると、文章全体の構成がしっかりと考えられるようになります。
 日記では、朝起きて何を食べて、どこへ行って、誰と会ったかということを記録として書けばいいのですが、そういった文章を読みたいと思う人はあまりいません。もちろん、日記にもおもしろいものはあります。そこにはきちんと作者の視点があり、意見が入っているのです。
 ひとつの事実をどのようにとらえ、独自の切り口で書いていくかということがエッセイには求められます。
 エッセイを書き始める前に、まずは伝えたいことをしっかり決める。楽しんで読んでもらえるエッセイを書くためには、その作業をすることが大切です。

2007年4月15日(日)

トピック3 エッセイ(随筆)とは?

 「エッセイ」とはそもそも何でしょうか。『新明解国語辞典』で「エッセイ」を引いてみると「随筆。随想」と出ています。そこで「随筆」を調べてみますと、「筆者の体験や見聞を題材に、感想を交えて記した文章」と出ていました。

 英語で「エッセイ(essay)」というと、「小論文」という、また違った意味になりますが、当サイトでは「随筆。随想」のエッセイを扱います。

 「エッセイ」とはつまり、筆者が伝えたいことを肩の凝らない文章で綴ったものといえそうです。日記であれば気軽に書けそうだけれど、エッセイとなると急に身構えてしまう人が多いように見受けられます。しかし、エッセイは基本的に自由に題材を決めて筆の進むままに書けばいいのです。吉田兼好の『徒然草』のように、「つれづれなるままに」書くのがエッセイの本質でしょう。

 とはいえ、おもしろいエッセイを書くためには、取り上げるテーマ、切り口、文章の構成などが大切になってきます。

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