2007年5月8日(火)

トピック29 「ので」をなるべく使わない

 かつて情報誌の新米ライターだったころ、担当の編集者に「ので」使用禁止令を出されました。「ので」とは、「今日はよい天気だったので、散歩に出かけた」というように、「理由」を示し、文章をつなげる役割を果たします。気をつけていないと自然と使ってしまいますが、「ので」をたくさん使うほど、文章に締まりがなくなってしまいます。

(例文)
 仲本薬局の店主は、かつて体操の選手だったので、今日、公園に行って鉄棒を見つけたので、逆上がりをした。

 一文に「ので」を一回使うのであれば、まだ許容範囲ですが、二回以上使うと、読者に混乱を与えてしまいます。
 例文を修正すると、このようになります。

(例文)
 仲本薬局の店主は、かつて体操の選手だった。今日、公園に行って鉄棒を見つけると、逆上がりをした。

 「ので」を絶対に使うべきではないというわけではありません。一文を短くし、読みやすくするために、「ので」を使わない方法もある、ということです。

トピック28 漢字表記・数字表記を統一させる

 文章中で使われる漢字や数字の表記は、最初から最後まで統一されていたほうが読みやすくなります。
 縦書きでも横書きでも、漢字の表記を統一させるのはわりと簡単です。気をつけなければならないのは、数字の表記です。

(例文)
 成田国際空港は連休を海外で過ごした旅行者の帰国ラッシュとなった。5日は約4万9000人、ピークの6日は約5万3000人が到着するという。

 例文は横書きですが、縦書きの場合は漢数字にしたほうがよいでしょう。「四万九〇〇〇人」、「四万九千人」、どちらでも構いません。ただし、同じ文章中では表記を統一しましょう。一般的に使われているのは、例文のように、万より上の単位(万、億、兆)のみを入れる方法です。
 エッセイなどの文章中では単位を入れて書くのが普通ですが、横書きのレポートや論文では、「49,000人」、「53,000人」というように、数字をそのまま書く方法がよく用いられています。文章の目的によって数字表記を使い分けましょう。

2007年5月7日(月)

トピック27 5W1Hについて

 小学生のころ、作文の基本として5W1Hについて教わったことがあるかと思います。わかりやすい文章を書くには、「いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのようにして(How)」を押さえることが大切です。この原則は小学生でもわかるほどシンプルですが、新聞記者でも使っています。
 エッセイを書く際にも、この原則はたいへん役に立ちます。しかし、いつ、どこで・・・という順序で書く必要はまったくありません。文章全体の構成は、いくらでも工夫できます。

(例文)
 いかりや先生は教室に入ってくると、いつものダミ声で挨拶した。
「オイッス!」
 昭和六十年、つくば科学万博が開かれ、街にはチェッカーズの曲が流れていた年、私は私立・高木小学校の三年生だった。

 このように、「いつ」を後で書くことで、時代の印象を強めることができます。エッセイの終わりのほうまで、「いつ」や「誰か」ということを謎のままにしておいて、最後に判明させるような文章もおもしろいでしょう。

トピック26 「体言止め」の使い方

 名詞や代名詞など活用しない品詞を「体言」といいます。情報誌を読むと、次のような文章がよく目につきます。

(例文)
 六本木にできた新ランドマークといえば、東京ミッドタウン。働く、住む、遊ぶ、憩う、そのすべてが融合した複合都市を取材した。

 このように、体言止めは情報誌などでよく使われます。しかし、エッセイなどの文章でこれを多用すると、読者に冷たい印象を与える文章になってしまうので注意が必要です。体言止めは、ここぞというときに効果的に使うことによって、文章にメリハリを出すことができます。

(例文)
 キャンプの醍醐味は早朝にある。朝日が昇る前、川辺で野鳥のさえずりを聴きながら飲む、淹れたてのコーヒー。本物の贅沢とは案外シンプルなものなのかもしれない。

 体言止めを使う際に最も気をつけなければならないポイントは、「多用しないこと」に尽きます。この基本をしっかりと覚えておけば、体言止めは文章を洗練させる便利な道具となるでしょう。

2007年5月2日(水)

トピック21 切り捨ての美学

 日記であれば、その日にあったことなどを羅列していけばよいのですが、エッセイでそれをやってしまうと、まとまりのない文章になってしまいます。
 文章を書いていると、あれもこれも書いておきたいという衝動に駆られることがあるでしょう。しかし、それはほんとうに伝えたいことなのか、よく考えてみる必要があります。余計なことを書いたばかりに、エッセイで伝えようとしたテーマがぼやけてしまうこともよくありますから。
 推敲する際には、「どこを削るか」「どこをもっと膨らませるか」を考えてみることをお勧めします。「せっかく書いたんだし、削るのはもったいないなあ」という思いも湧いてくることでしょう。そこをいかに潔く切り捨てるか。
 文章を削る練習として、まずは1000字でエッセイを書いて完成させ、このエッセイを400字にしてみましょう。文章のエッセンスをギュッと凝縮させるのです。引き締まった筋肉質の文章は、こうしてできあがります。

Copyright(C)2007 無料!文章・エッセイ講座 All Rights Reserved. /Powered by WordPress ME/Total Hits: 64798