2008年6月22日(日)

トピック46 ユーモア文章術(9) 自分のエゴを笑う

 人の心には、さまざまなエゴがあります。誰でも、虚栄心、欲、打算など、できれば他人から見抜かれたくないようなものを心の中に持って生きているものです。
 ユーモアのある文章を書く際には、このような自分のエゴを客観的に観察し、それらを隠そうとするのではなく、むしろ茶化して笑い飛ばすような心の余裕を持つことが大切です。
 昭和48年から50年にかけて朝日新聞の「天声人語」を執筆していた深代惇郎さんを、私は個人的に文章の師と尊敬しています。氏の『深代惇郎の青春日記』には、学生時代の日記が載っています。

<友人と泊まりがけのスキーに行って>
友人は便所より女湯が見えたと大騒ぎする。怪しからん男なり。しかし我輩も明日より、その便所を使う事を心中固く決意せり。

 この短文の中にも、深代さんの持つ心の余裕が垣間見られるのではないでしょうか。
 読者も同じ人間です。「人間っぽさ」の匂いたつ文章に心を引かれ、癒されるものです。

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