2007年6月6日(水)

トピック43 余韻の残し方

 一般的に、文章は明確であるべきとされています。曖昧な表現はなるべく避けて、スパッと言い切る強さや潔さが必要である、という考え方です。
 しかし、「曖昧さ」も、うまく使うと、文章に余韻を残す効果があります。
 これは異性に引かれる心理にも似ていて、すこし謎めいているところがあったほうが、文章も魅力的に映る場合がよくあるのです。

(例文)
 当時、志村進学塾で一緒に講師をしていた仲本くんは、現在、スイスで生活している。私のもとへ十年ぶりに届いた手紙には、家族四人で撮った写真が同封されていた。仲本くんも、二人の娘さんに恵まれて幸せそうだ。
 それにしても、この奥さん、どこかで見たような気がするが、きっと気のせいだろう。そう思いたい……。

 このように謎を残して終わると、読者に、「この奥さんは誰なんだ?」「この奥さんと作者との間に、かつて何か関係があったのだろうか?」などと想像をかき立てることができます。
 ちなみに、例文は私とはまったく関係ありませんよ。(笑)

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